物語
STORY

『殿はいつも殿』(しんがりはいつもとの)

一人の偏屈な作家が死んだ。この物語は、彼が最後に遺した小説を元に描くものである。
彼は言った。「この小説は真実の物語なのだ。そして主人公の男は、ずっと貴方のそばにいたのだ……」
今から400年以上前。徳川幕府、黎明期。弱小藩主である塩麹宗肉は、大将軍・徳川家康を相手にありえない狼藉を働き、即刻切腹を申し付けられてしまった。
後継者も決めた。辞世の句も書いた。「いざ、切腹!」と相成ったのだが、彼にはとんでもない秘密が隠されていた。それは肉体が傷ついてもすぐに回復する特異体質……すなわち不死身の肉体の持ち主であったこと。
腹を切らねば藩が終わる。しかし切れども切れども、その腹は治るばかり……。
はたして宗肉は切腹を成功させ、愛する家族を、そして民たちを守ることが出来るのか。
偏屈作家の奇妙な遺作が教えてくれた、まだ誰も見た事の無い男のケジメ。

黄金のコメディフェスティバル2014グランプリ作品(「最優秀演出賞」「優秀脚本賞」「高校生審査員賞」「観客賞」など複数の賞を受賞)をパワーアップし、完全版として上演します!!