STORY
未来を予知できるシベリアンハスキーのゴルバチョフ。
その能力ゆえに愛を知ろうともしない彼と一人の惨めな女の出会いが生んだ、
どうあがいても幸せになれない、心温まるヒドイ話。
ダグラス・マッカーサー君が「いくら何でもデカすぎじゃね?」というコーンパイプをスースーしていた第二次大戦直後の日本。
横浜の片隅で、一匹の犬が自由気ままにも程がある暮らしをかましていた。
彼の名前は、ゴルバチョフ。
今は無き満州国に生を受け、『未来を見渡せる』能力のせいで時代に翻弄されたワケアリの男(オス)だ。
脳まで溶け出しそうなある暑い夏の日、ゴルバチョフはシヅ子と名乗る一人の女と出会う。
その出会いが彼を幸せの絶頂に導いた時、眼前に広がった未来のビジョンは、ゴルバチョフを最期の衝動へと突き動かすのだった!
ポップンマッシュルームチキン野郎が、全世界の愛犬家と別にそうでもない全ての人々に捧ぐ愛と絶望の物語。
さあ、開幕のベルは近い。
公園で首輪を外された飼い犬の如く、全てのしがらみを捨てて、劇場へ走ろうぜ。


ゴルバチョフ
驚異的な頭脳を持ち、その力で未来を見渡すことが出来る犬。犬種はシベリアンハスキー。
好きな言葉は、天上天下唯我独尊。

シヅ子
空襲で家族を失った女。ゴルバチョフと不思議な因縁で結ばれている。好きな力道山の技は、一周まわって空手チョップ。